森と湖の国フィンランド。その南東部サヴォンリンナ地方は湖水地帯。オラヴィ城は1500年代に頑強な要塞として作られた古城。
2018年の7月より開催されるオペラ祭をご案内します。

  • サヴォンリンナオペラ祭芸術監督ヨルマ シルヴァステイ & その妻千栄子

監督・監督夫人からのメッセージ

こんにちは。2018サヴォンリンナオペラ祭は待ってましたとばかり。プッチーニの記念の年という事もあり、オペラの本場イタリアからプッチーニフェスティバルをお迎えし、オペラファンの方にとってはオペラ名曲ヒット集の夏です。
新作は、フィンランドの隣国であるロシアの巨匠チャイコフスキーの異色作品「スペードの女王」ですが、久々にフランスオペラ、グノーの「ファウスト」のリバイバルなど、大変盛りだくさんのプログラムです。
出演者陣も世界のトップクラス及び国内国外の有望株、新進気鋭の新人の方々をお迎えして、まさにオペラのオリンピック開催と言えるでしょう。フィンランドの夏は涼しいですが、どうぞサイマー湖に浮かぶオペラ祭会場、中世の古城オラヴィリンナへどうぞお来しください。サイマー湖にしかいないノルッパアザラシ達と皆様のご到来を今年のお待ちしています!

サヴォンリンナオペラ祭芸術監督
ヨルマ シルヴァステイ & その妻千栄子

オペラ上演日程

  演目 上演日(いずれも19時開演)
1 M.チャイコフスキー スペードの女王 7月6、10、13、19、24、27日
2 G.ヴェルディ オテッロ 7月14、18、23、28日
3 G.プッチーニ マダム バタフライ 7月9、12、17、21、26日
4 S.グノー ファウスト 7月7、11、16、20、25日
5 G.プッチーニ トゥーランドット 7月30日、8月1、3日
6 G.プッチーニ トスカ 7月31日、8月2、4日

サヴォンリンナオペラフェスティバル 2018年 客演情報①

新作「スペードの女王」
P.チャイコフスキー作曲

新作「スペードの女王」 P.チャイコフスキー作曲

上演日: 7月6、10、13、19、24、27日(開演19時)
上演言語: ロシア語(字幕:フィンランド語&英語)
上演時間: 3時間(休憩1回)

指揮:
A.ヴェデルニコヴ
演出:
J.エルッキラ
舞台装置:
J.ウルヤス
舞台衣装:
E.ツルネン
照明:
W.イレス
振付:
R.ヴァレ
合唱:
M.ヒュオッキ

■キャスト

M.ポホヨネン、M.デイーデユック、P.ヤンコヴスキー、M.ヤーテイネン、J.マズロヴァ、I.チュリロヴァ、E.グゼヴァ、J.パッカレン、S.ヴァユルネン、I.ハマライネン、K.ソアセップ、H.ハリネン、J.ココラ、J.リーヒマキ

サヴォリンナオペラ祭オーケストラ
サヴォリンナオペラ祭合唱団

「人生は賭け」
この夏の新作チャイコフスキーの「スペードの女王」は革命前のペテルスブルク上流階級の典型的な生活風景をバックとして、プシュキンの小説を元に、主人公貧乏将校ヘルマンが次第に金銭的欲望にかられギャンブルの世界にはまっていくお話。婚約者がいながらも、彼に片思いのリーサの叔母である伯爵夫人が、かつて賭けで大儲けした秘訣を聞き出したくリーサと親密な関係になっていく。しかし最後は、プシュキンの小説の別名が「大人になり損ねた青年」と言われる様に、ヘルマンの野心は狂気をおびて大切な恋人を失い、賭けにも大失敗、遂には自分も滅びるという始末。しかし音楽的にはチャイコフスキーの傑作品として讃えられており役柄それぞれの心理的表現が曲に実にエキサイティングに書かれている。ロマノフ王朝時代のロシアの上流階級はパリの社交界を凌ぐ絢爛豪華さであったので、衣装や舞台装置等ビジュアル面でも観客を満喫させる要素はたっぷり。今回演出は、下済みの長いJ.エルッキラが手塩にかけて手がけてくれます。乞うご期待!

サヴォンリンナオペラフェスティバル 2018年 客演情報②

「オテッロ」
G.ヴェルディ作曲

「オテッロ」 G.ヴェルディ作曲

公演日程: 7月14、18、23、28日(開演19時)
上演言語: イタリア語(字幕:フィンランド語&英語)
上演時間: 3時間(休憩1回)

指揮:
H.リントウ
演出:
N.デユフォー
舞台装置:
E.ファヴレ
舞台衣装:
K.デユフロー
照明:
P.グロスペリン
ビデオデザイン:
A.コリニョン
合唱:
M.ヒュオッキ

■キャスト

A.アントネンコ、C.タンナー、M.コスタ ジャクソン、P.リンノサーリ、A.マルコヴ、T.カタヤラ、J.レヘテイネン、N.スポンベリ、A.ダニック

サヴォリンナオペラ祭オーケストラ
サヴォリンナオペラ祭合唱団
*フランス、オランジェオペラ祭との共同制作

「魔力、嫉妬、情熱」
オテッロとはシェークスピアの「オセロ」のイタリア語読み。2年前のオペラ祭に初登場し絶賛を受けました。古典オペラによくある終結ですが、このストーリーでも女性が犠牲となります。今で言う「移民」ながら出世する英雄オセロ将軍、デズデモナという美しい妻を迎えますが、これまたよくある事、徳川時代にも唱えられた武士への教訓ですが「成功ばかりは毒なり」そして人気が上昇するほどゴシップに嫉妬が増えるのは今も世の常。音楽的には熟練ヴェルディの傑作ですので、重厚な合唱とオーケストラでの幕開けで、すぐ聴衆の興味をそそります。オテロの力強いドラマチックテノールの歌唱とは対照的に、か弱い妻デズデモナの繊細なソプラノの旋律がミックスしてサスペンスかつ大ロマンを表現するデュエットなどが聴きどころ。裏切り者ヤーゴのアリアなどは、歌詞が解らなくても悪漢の臭いがドクドク漂います。
演出はまあまあですが舞台衣装はさすがフランス、合唱団の衣装も全て総シルクです!
今年はフィンランド人ソプラノ、パウリーナ リンノサーリのデズデモナデビューが期待されます。オテッロ役のアントネンコは、目下オテッロ役として世界のトップクラスのテノールスピント(ヘルデンテノール)です。

サヴォンリンナオペラフェスティバル 2018年 客演情報③

「マダム バタフライ」
G.プッチーニ作曲

「マダム バタフライ」G.プッチーニ作曲

公演日程:7月9、12、17、21、26日(開演19時)
上演言語: イタリア語(字幕: フィンランド語&英語)
上演時間: 3時間(休憩1回)

指揮:
K.クーサヴァ
演出:
H.アキナ
舞台装置:
D.シブヤ
舞台衣装:
A.ナンバ
照明:
I.パロニエミ
合唱:
M.ヒュオッキ

■キャスト

S-K リム、M.ヤンコヴスキー、G.リヴェロ、M.ヴァーフトルオト、A.カタヤラ、D.カールストリョーム、J.メリカント、G.キーロフ、K.リンドリュース

サヴォリンナオペラ祭オーケストラ
サヴォリンナオペラ祭合唱団

「無知な愛におさらば」
このストーリーをしっくり感じなくとも、プッチーニは女性心をしっかり捉えていたのか、この作曲家ほど人の心を動かせるオペラ作曲家は数少ない。マダムバタフライ、即ち蝶々夫人のモデルは、明治維新前の日本に実在するのだか、内容はかなり異なる。私自身、若い頃はこのストーリーが大嫌いであった。が、ある時近代の横須賀の米軍基地辺りにも無知な日本人少女と米兵とのロマンスは存在する事を知った。
日本女性が最悪に扱われカッカする反面、大和撫子の一途な愛、そして我が身を絶ち、子にパラダイスな将来を託す最後は、オペラ史上最も聴衆に感動と涙を誘う、超ヒット作品である。
演出家グループがハワイの日系人チームであるのが非常にユニークで、暗いお城が美しい日本の色彩で飾られます。サヴォリンナのお蝶さんは韓国人とロシア人のソプラノ、そして超若手フィンランド指揮者カッレ クーサヴァのデビューが大変期待されます。

サヴォンリンナオペラフェスティバル 2018年 客演情報④

「ファウスト」
C.グノー作曲

「ファウスト」C.グノー作曲

公演日程:7月7、11、16、20、25日(開演19時)
上演言語: フランス語(字幕:フィンランド語&英語)
上演時間:3時間半(休憩1回)

指揮:
P.オーギャン
演出:
V.キルユネン
舞台装置&衣装:
K.ヴィスカリ
振付:
P.ケコニ
照明:
A.クラーギン
合唱:
M.ヒュオッキ

■キャスト

J.ガルシア、M.テッポネン、P.リンドルース、T.タカラ、E.バック、T.ペンテイネン、V.ルサネン、J.メリカント

サヴォリンナオペラ祭オーケストラ
サヴォリンナオペラ祭合唱団

「ファウスト」は、ドイツのかの有名な文豪W.ゲーテの劇詩を題材に、フランス人のロマン派作曲家グノーが作曲した長編作品、オペラ名曲の1つです。このお話も例によって世間知らずの純情なマルガテータという少女が悪の犠牲となります。老いを嫌う医師ファウストは悪魔メフィストに魂を売って若返り、本来は親子以上の年齢差があるであろうマルガレータと恋に陥ります。しかし彼女を身籠らせた後、ファウストはメフィストと共に道楽の旅に出てしまい、マルガレータはたちまち村のスキャンダルの対象に。戦いから帰ってきた兄ヴァレンタインはこの打ちひしがれた妹のために復讐を誓いますが、悪魔に勝てる訳はなく死亡、やがてマルガレータも気が狂い…それは悲惨な終わりですが、これらのストーリーは不幸にならないための教訓と受け取るしかないでしょう。しかしここでも音楽は見事なドラマを展開し、ソリストそれぞれが素晴らしいアリアやデユエット、アンサンブル歌唱を織り成します。
今年のマルガレータは、今や最も売れっ子であるフィンランド人ソプラノのトウーリ タカラとマルユッカ テッポネンの2キャストで、テノールは2年前に公演した椿姫でサヴォリンナデビューを飾ったジーザス ガルシアです。指揮は大ベテランのフィリップ オーギャン。国の代表作ですから音楽的に大絶賛を受けること、間違いないでしょう。

サヴォンリンナオペラフェスティバル 2018年 客演情報⑤

「トゥーランドット」
G.プッチーニ作曲

「トゥーランドット」G.プッチーニ作曲

公演日程: 7月30、8月1、3日(開演19時)
上演時間: 2時間45分(休憩1回)
上演言語: イタリア語(字幕:フィンランド語&英語)

指揮:
A.ヴェロネージ
演出:
E.ステインケッリ
舞台装置:
プッチーニフェスティバル協会
舞台衣装:
F.スクアルチャピーノ
照明:
E.ステインケッリ
合唱:
S.スグロ

プッチーニフェスティバルオーケストラ
プッチーニフェスティバル合唱団

トゥーランドットは中国の楊貴妃を思い出させる絶世の美女ですが、ひどく「ひきこもり」のトゥーランドット姫を誰が射止められるか?というお話。何人もの求婚者が現れますが、姫の質問に全部答えられないとたちまち処刑!オペラは本当に惨たらしいストーリーが多いのですが、こちらのオペラも例に漏れず役柄の数人が劇中に亡くなります。「誰も眠らない」という主役テノール、カラフのアリアが余りにも有名ですが、主役のトゥーランドットとは正反対の女性奴隷役リウはひたむきにトゥーランドット姫を勝ち取るカラフを愛するがため、自らを犠牲にします。リウの2つのアリアも大変有名で、よくコンサートなどでも演奏されます。ただしプッチーニ自身もこの作品を未完成のままで亡くなってしまったので最後の部分はその弟子が書き上げました。
終わりは急にディズニーの如くパッピーエンドでロマンチック一杯ですので「あれ?」っと思わず感じてしまうほどですが、本場イタリアのプッチーニフェスティバルの客演に期待いたしましょう!

サヴォンリンナオペラフェスティバル 2018年 客演情報⑥

「トスカ」
G.プッチーニ作曲

公演日程: 7月31日、8月2、4日(開演19時)
上演時間: 2時間30分(休憩1回)

指揮:
A.ヴェロネージ
演出:
E.ヴェンツイーナ
舞台装置:
プッチーニフェスティバル協会
舞台衣装:
チェラテッリ協会(指導D.フィオリーニ & F.ベネデイッテイーニ)
照明:
V.アルフイエーリ
合唱:
S.スグロ

プッチーニフェスティバルオーケストラ
プッチーニフェスティバル合唱団

「トスカ」もプッチーニの他の作品同様、世界で最も多く上演され完売となる決定版です。お話はフランス革命時代が舞台、トスカは役柄もまさにディーヴァ、ローマの人気女優で恋人はマリオという画家です。しかしスカルピアという腹黒い政治家が彼女を自分のモノにしたく狙っており、マリオを政治犯罪者として逮捕。トスカはスカルピアに身を売る覚悟でマリオの解放を願いますがそこで大事件発生。一見、一段落しハッピーエンドで終わるのかなと思いきや、意外なエンディングで観客に息を飲ませるスリル満点のヒット作品です。主役3人のアリアはそれぞれ大変有名です。合唱の出番は短いながら1幕のイースター場面は大変盛大で重厚なメロディーと共に、とても印象深いです。ローマのバチカンに近いサンアンジェロ城が題材となっています。

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